SSブログ

MGMミュージカル(その2)/『ザッツ・エンタテインメント』 [雑感]

  『ザッツ・エンタテインメント』を送り出した立役者は、製作・監督・構成を手掛けたジャック・ヘイリー・Jr.である。Jr.と言うからには当然Sr.もいる訳で、『オズの魔法使』(これもMGMミュージカルのクラッシック)で「ブリキ男」を演じた俳優が父・ジャック・ヘイリーである。

  1960年代から70年代に掛けて、かつて娯楽の王者だったミュージカル映画は既に過去の遺物となっていた。ミュージカル映画の製作本数は激減し、たまに作られる作品も、以前の「ショーほど素敵な商売はない」的な価値観で作られた作品群とは明らかに異なる作り方をされていた。
  そんなタイミングで『ザッツ・エンタテインメント』は公開されたのである。そして、かつてのハリウッド・ミュージカルを懐かしく思う人々と、それを知らない若い世代の映画好き(私たちの世代)の一部に熱狂的に迎えられることとなった。家庭用VTRの普及前夜の話である。

  今日、私たちがいにしえのミュージカル映画を楽しむ事ができるのもジャック・ヘイリー・Jr.のお陰であろう。『ザッツ・エンタテインメント』の公開を機に、かつてのミュージカル映画やスターたちに再び脚光が当たったからである。
  『ザッツ・エンタテインメント』には2本の続編が存在するが(いずれもDVDで入手可能)、『Part 1』の好評によって直ちに製作された『ザッツ・エンタテイメント Part 2』では、製作のソール・チャップリン、出演と新場面の監督を兼ねたジーン・ケリー、ナレーション台本を書いたレナード・ガーシュなど、かつてのフリード・ユニットの面々が再結集しているのが興味深い。

  そして『Part 1』の10年後、MGMの創立60周年を記念して作られたのが『ザッツ・エンタテインメント』の姉妹編とも言うべき『ザッツ・ダンシング!』で、ここでは『Part 1』ジャック・ヘイリー・Jr.が再び采配を振るっている。

  その『ザッツ・ダンシング!』が東京映画祭の招待作品としてプレビュー上映された時、脚本・監督・共同製作のジャック・ヘイリー・Jr.と共同製作のデヴィッド・ニーヴン・Jr.が来日し、舞台挨拶を行なった。既に人生を誤りつつあった私がNHKホールに駆け付けた事は言うまでもない。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。