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『ハゲレット』通信 [日記/2006年]

3月6日(月)

 新宿・紀伊國屋ホールにて『ハゲレット』の仕込み。作秋の『龍馬の妻とその夫と愛人』に続いて2度目の紀伊國屋ホールである。私の場合、同じ劇場が何故か続く、と言う傾向がある。

 朝から道具を建て込んで、夕方にはほぼ建ち上がっていた。引き続き照明のフォーカス作業。セットの仕上がりも衣裳同様かなり格調高い。今回は公演規模もそれほど大きくないのでどちらかと言えば低予算なのだが、とてもそうは見えないだろう。

 『ハゲレット』のセットは、シェイクスピアの劇団を庇護した実在の人物、第3代サウサンプトン伯ヘンリー・リズリーの私邸「ティッチフィールド・ハウス」の建築様式を取り入れてデザインされている。
 この建物は一部しか現存していないが、18世紀に作成された図
面が残っており、それによると、かつては「劇場の間」と呼ばれる部屋があったらしい。シェイクスピアの当時、芝居は「グローブ座」などの劇場で一般大衆向けに上演される例と、このような個人の館で、高貴な人々の為に上演される例の2通りがあった様である。

 予定を無事消化して第1日目を終了。明日は引き続き照明のフォーカス、その後明かり合わせ。夕方より舞台稽古。の予定。

 久世光彦さんのお通夜に行って来た。週刊新潮で連載中の『大遺言書』が未完に終わるのが何とも悔しい。


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コメント 8

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ルシアーナ

山田さん,こんにちは。

ハゲレットは,貴族の館で演劇を観る様な気分で観劇できそうですね。
拝見するのがとても楽しみです。
by ルシアーナ (2006-03-07 12:51) 

はじめまして

突然の書き込み失礼します。私は今、ミュージカル役者を目指しています。役者向けのワークショップなどは行っていませんか??ぜひご指導受けたいです!
場違いでしたらすみません。
小山   yoko5845@hotmail.co.jp
by はじめまして (2006-03-07 19:04) 

山田和也

ルシアーナさん、はじめましてさん(小山さん?)、コメントありがとうございました。

『ハゲレット』では、少なくとも気分だけなら貴族の館に浸る事ができるだろうと思います。
でも「思いこむ事」こそ劇場での楽しみ、「想像力」こそ観客の特権ですからね。どうかとことん浸ってお帰りください。

私は今、本業の演出の合間に日大芸術学部演劇学科で週に1クラス授業を持っています。今年の4月からは、そこに東宝ミュージカルアカデミーの1クラスが加わります。
なので、それ以外で定期的にワークショップ、と言う事はちょっと無理なのですが、仕事がまとまって空いた時などに短期間のものだったら可能性はあるかもしれません。
そう言うワークショップは昨年の秋にも1度やらせていただきましたから(昨年8月21日の日記を参照の事)。
と言っても、具体的に決まっているものは何もありませんが。
by 山田和也 (2006-03-07 22:03) 

柴犬陸

紀伊国屋ホール、ウチから近いから身近に感じる劇場です。
他にシアターアプルも近いですね。
ところで、久世さんのお通夜にお出かけだったんですね。
恐縮ですが、久世さんについての記事をトラックバックさせていただきました。
by 柴犬陸 (2006-03-08 02:38) 

山田和也

柴犬陸さん、コメント&トラックバックありがとうございました。
私は久世光彦さん脚本の芝居で1本、久世さん脚本・演出の芝居で1本、演出助手を務めた事がありました。
その後、稽古場が隣になったりすれば、私は必ず表敬訪問していましたし、久世さんは新しい著書をくださったりしました。
ご冥福をお祈りいたします。
by 山田和也 (2006-03-08 07:57) 

小山

 お返事どうもありがとうございます!!8月21日の日記拝見させていただきました。
 私事になりますが、私は今、立ち上げたばかりのオリジナルミュージカルの劇団に入って活動しています。が、プロになりたいのでこのままでよいのか不安です。歌やダンスのレッスンは定期的に受けています。私は今までミュージカルおたくでも何でもなかったので、ちゃんとした舞台もまともに見たことが無い無知の人間です。
 自分でどうにか動くしかありません。もし、稽古場見学などはさせていただけませんでしょうか??図々しくてすみません!
by 小山 (2006-03-08 18:25) 

山田和也

まずは沢山の舞台を観て刺激を受ける事が先決でしょう。
色々な舞台に触れれば、自分の実力がどの程度なのか、弱点はどこに有るのか、或いは自分がやりたいのはどんな作品か・・・様々な事が見えて来る筈です。
そうすれば、今必要なのは何のレッスンなのか、そう言う事も分かって来るでしょう。ただ闇雲に時間とレッスン代を消費していてもプロに近付く事にはなりません。

また私たちの稽古場はプロ同士が真剣にものを作る仕事場です。パイロットがコクピットを見学させない様に、ドクターがオペ室を見学させない様に、私たちの稽古場も非公開なのです。

誰にでも「始まり」はあります。もちろん私にもありました。
何事も最初は不安なものです。でもその不安は、その世界の様々な事を知る事で解消されて行く筈のものです。
そして、ひとつの事を続けて行く内に、今度は不安と苦労を分かち合う事のできる「仲間」と出会う筈です。

どうか夢と希望を忘れないで、頑張ってください。
by 山田和也 (2006-03-09 01:29) 

小山

 まさかお返事がすぐに返ってくるとは思ってもいなかったので、すごくうれしいです。
 資金を貯めて、ニューヨークに行き本場のミュージカルを見に行くのが今年の1つの目標です!!
 いつか必ず山田さんとお仕事ができるような人になりたいです!!今は目の前のことを精一杯やりたいとおもいます。
 またこちらにお邪魔させていただきます。突然の書き込み、大変失礼しました。
by 小山 (2006-03-09 18:56) 

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