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観劇記/2005年 ブログトップ

観劇記/12月 [観劇記/2005年]

『12人の優しい日本人』 PARCO劇場
 三谷君作・演出による、東京サンシャインボーイズ時代の傑作のリバイバル。芝居は1に本、2に役者だという事を改めて思い起こさせてくれる。
 しかしまあ贅沢なキャストである。にもかかわらず、観劇中にしばしば劇団時代の役者たちの印象が蘇って来た。が、これは悪い意味ではない。劇団時代も今回も、私はどちらも楽しんだ。
 上演史の中では今回の美術が1番いい。と言うか、今までが奇をてらいすぎていたのだが。

『V6 10th Anniversary Tour musicmind』 国立代々木競技場 第1体育館
 勿論これは芝居ではない。が、最近このコーナーがあまりにも寂しく見えるので。
 トニセンの3人は、私が少年隊ミュージカル『プレゾン』を演出した時の出演者であった。その後坂本君とは『シェルブールの雨傘』を一緒にやり、その再演は、ジャニーズの手になる新生「東京グローブ座」のこけら落とし公演でもあった。私とV6との接点はそういう事である。
 芝居ではないので評価は下さないが、V6の6人は広大な第1体育館を走りまわり、踊りまくり、歌いまくった。そこには舞台と客席の幸福な関係が間違いなくあった。大切な事だと思う。

劇団道学先生『兄妹どんぶり』 紀伊國屋サザンシアター
 道学先生は初見だが、脚本の中島淳彦さんとは以前仕事の機会があった。が実現しなかった。返す返すも残念。
 舞台の方はこのユルユルぶりがたまらない。福島三郎作品や鈴木聡作品に通じる所がある感じ。役者は皆好演で、特に福本さんが大活躍。だが演出と美術にはもう少し洒落っ気があっても良かったのではないだろうか。照明は感心せず。


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観劇記/11月 [観劇記/2005年]

『マイ・フェア・レディ』 帝国劇場
 新演出になって初の東京公演。キャストも大幅に入れ替わった。
 このヴァージョンは初見だったのだが、空間を上手く使っていてスマート。シーンチェンジなどテンポアップも図られていて好印象なのだが、不徹底なのは何故? 新キャストは概ね好演で、羽場さんの存在が大きい。真央さんの作品では常に付きまとう問題点だが、シチュエーションよりも真央さんのインパクトが優先されてしまう瞬間がある。真央さん自身が素敵なだけに惜しい。

『宮沢賢治・大運動会~ボクたちの劇場へ~』 日本大学芸術学部中講堂
 日大芸術学部演劇学科の実習発表で、加藤直さん構成・演出による宮沢賢治作品集。
 原作を戯曲化せずそのままテキストとしたスケッチ集で、台詞と地の文が混在して語られ、役を演じる俳優も一貫しない。ブレヒト的群衆劇黒テント風だが、稽古が行き届いていて好印象。学生たちも役を作るストレスから解放されてか皆好演。直さんの作戦勝ちか。スタッフワークも良く、照明が高得点。ただし、作品として観るとあの長さは辛い。無料公演。


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『観劇記』/10月 [観劇記/2005年]

『バクマツバンプー 幕末蛮風』 東京グローブ座
 今時のチャンバラ活劇。決して楽しくないわけではないのだが、私はこのスタイルの舞台には中々感情移入できない。荒唐無稽を目指す芝居に難癖をつけるつもりも毛頭ないのだが、そうなると芝居のチャームポイントも弱点に見えてしまい、他の観客ほどは盛り上がれない。
 京晋介さんが水を得た魚の様でひたすら愉快で、有森也実さんは意外な役どころが新鮮だった。

『ツキコの月 そして、タンゴ』 帝国劇場
 大盛況の帝劇は補助席が出ていた。キャパシティ2000の劇場をストレート・プレイで満席にしたのは企画の勝利。ただし、企画の上手さが上演成果に反映されていない。印象的な場面も幾つかあるが、話の繋がりが甘く、盛り上がらない。豪華な顔ぶれも生かされきれず、惜しい。

『宮敬TIME』 南青山ル・アンジェ教会
 宮川浩さんと堀内敬子さんのジョイントライブ。「宮敬」で「きゅうけい」と読ませる。雰囲気の実に良い会場で、2人の人柄そのままのアットホームな時間が流れた。それにしても堀内敬子さん、あなたの醸し出すユーモアは誰にも真似できません。

『歌わせたい男たち』 ベニサンピット
 永井愛さん率いる二兎社の新作。相変わらず全ての水準が高い。出演者も全員好演。この芝居の価値は10年後、20年後に更に高まる筈である。

『パパ、I Love You』 日本大学芸術学部中講堂
 演劇学科4年生による今年度の卒業制作の1本。空回りしやすい翻訳劇のコメディでちゃんと客席の笑いを取ったのは立派。舞台美術が素晴らしく、それをスマートに見せた照明も見事。勿論欠点も多いが、それを補って余りある勢いがあった。無料公演。

『るつぼ』 日本大学芸術学部中講堂
 これも演劇学科4年生の卒業制作公演である。シリアスなテーマを持つ3時間半を超える大作に真摯に取り組んだ姿勢に拍手。ただし、注文は幾つかある。何よりも台詞がこちらに届いてこない。登場人物それぞれの立場と信条が不鮮明だからであろう。現代の社会状況にも繋がる作品だけに、惜しい。無料公演。

 

「共通テーマ」「演劇」があるのに今頃気付いた。遅ればせながら「演劇」に引っ越します。


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『観劇記』/9月 [観劇記/2005年]

『テネシー・ワルツ  江利チエミ物語』  シアターアプル
  『好色一代女』の音楽を手がけてもらった島健さんが音楽を担当する音楽評伝劇。舞台の作りには食い足りなさも残るのだが、それを補って余りあるのが江利チエミさんを演じる島田歌穂さんのショーマンシップ。1幕ラストの「キャリオカ」は鳥肌モノであった。歌穂さん以外のキャストも総じて好演。

  最近ホントに芝居観てないよね。


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観劇記/8月 [観劇記/2005年]

『大地真央コンサート2005 Proof of Brightness』  紀尾井ホール
  初日だからか、珍しく緊張する真央さんを見た。トークになっていつもの真央さんを取り戻したので一安心。ただ、会場の残響時間が長く、歌詞が聴き取りにくかったのが残念。
  音楽監督は『ローマの休日』の戦友、大島ミチルさん。ゲストは、これまた緊張する橋本さとしさん。ちょっと見物でありました。

  今月もこれ1本で・・・観劇記とはおこがましい。


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観劇記/7月 [観劇記/2005年]

『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』  新国立劇場 小劇場
  新国立劇場で当日券を求める列が。何よりも大事な事である。
  我が国でも何度か上演されているコメディだが、今回の上演のハイライトは「バックステージ部分」を現代日本に翻案してしまった事であろう。そして作中の演出家役を、実際の演出者・白井晃さんが演じるスリル。いつも使える手ではないが、今回のそれは吉と出た。
  るみさん&高見さんの美術・照明コンビの仕事振りも明るくて好印象。但し3幕への転換は要改善。

『新・乾いて候  そなたもおなじ野の花か』  新橋演舞場
  1ヶ月に及ぶ改装を終えて演舞場のロビーは印象を一新。老舗劇場とて無策では生き残れない。
  初めて観る舞台の田村正和さん。噂には聞いていたが、これはまさにワン・アンド・オンリー。他と比較しての評価などには何の意味もないであろう。何より観客が詰めかけている。上でも書いたが、これが一番大事な事。  ただ、もう少しストーリー重視の作りにした方が、独特な個性が古びないのでは。

劇団M.O.P.『水平線ホテル』  紀伊國屋サザンシアター
  久々のM.O.P.総出演公演で、マキノさんとしても純粋な新作は『実を申せば』以来なんだそう。
  しかし、これは普通、劇団を旗挙げしたばかりみたいな連中が取り上げる様な題材。それを、こんな立派なセットを組んで、こんな実力のある俳優たちがマジでやるなんて。あっぱれM.O.P.!
  大いに楽しんだのだが、個人的な好き嫌いを言わせて貰えば、これで15分短ければ。


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観劇記になりませんでした/6月 [観劇記/2005年]

  今月の観劇記はありません。

  観たかった芝居は『ボーイ・フロム・オズ』、ダンダンブエノ『礎』、テアトル・エコー『朝の時間』、こまつ座『國語元年』、『箱根強羅ホテル』、東京ヴォードヴィルショー『あほんだらすけ17th』、『ナイン』、『ラ・マンチャの男』・・・など、山積していたのですが・・・。


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観劇記/5月 [観劇記/2005年]

『最悪の人生のためのガイドブック』  PARCO劇場
  ただし舞台稽古を鑑賞。なので評価は下さない。
  このミュージカル風コメディに価値があるのは、現代日本の日常の中でそれをやろうとしているからである。
コスチューム・プレイやファンタジーの中でではなく。

  今月は観劇記とは呼べません・・・。


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観劇記/4月 [観劇記/2005年]

『妻と社長と九ちゃん』  紀伊国屋ホール
  青年座による鈴木聡さんの新作。大好きな鈴木作品だし、鈴木さんとは今後も仕事がありそうなので。
  誠実な作りで観客は楽しんでいた。が、戯曲本来の面白さとはちょっとずれてしまった印象。中川隆一さんの見事に行き届いた照明デザインが特筆もの。

『あずみ』  明治座
  最近の明治座は新しい方向性を模索している。これもその1本であろう。
  サービス精神満点、お目当ての俳優がいる観客は十分喜んでいた。が、ストーリーが無くなってしまう2幕は見所が黒木メイサさんだけになってしまい、私にはやや辛かった。レトリックの面白さは分からないではないが。

『トスカ』  草月ホール
  大地真央さんとの付き合いは以前書いた通り。
  まんまと栗山マジックにはまる。脚本、スタッフワーク、演技陣それぞれに無駄がない。特に篠井英介さんからは目が離せない。今までに見たことのない素敵な真央さんにも会える。汗みずくの真央さんなんて!  それがまた実にセクシー。惜しむらくは最後の瞬間のイメージ。
やや物足りない。


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観劇記/3月 [観劇記/2005年]

『娘よ』  ル・テアトル銀座
 次回作『シンデレラストーリー』のプロデューサーの作品なので打合せを兼ねて。私の『メリー・ウィドー』の稽古場が『娘よ』の稽古場の真下だったご縁もあり・・・。
  石井ふく子さんの良い面が出た、細やかで心に染み入る佳作。と同時に、いささか古めかしさが気になったことも否めない。これが芸術座での観劇なら、そうは思わなかったのかもしれないが。
  少ない出演者はそれぞれに好演。

『放浪記』  芸術座
  最後の芸術座。心残りはこの劇場で演出する機会がなかったこと。
  この種の作品の中では群を抜く完成度。舞台の隅々、登場人物の1人1人にまで目配せが行き届いていて、観ていて胸が熱くなった。商業演劇と言う滅び行くジャンルで過ごしてきた自分にとって、これは特別な作品。

  今月は2本しか観られませんでした。


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観劇記/2月 [観劇記/2005年]

『R&J』  PARCO劇場
  昨年『ナイル殺人事件』で仕事をした小林高鹿さんと、今度『シンデレラストーリー』でご一緒する浦井健治君が出ていたので。
  シンプルでストイックな舞台だが、構造は非常に演劇的で興味深い。もしかしたらPARCOでも大きすぎるのかも?  と考えながら見ていました。

『デモクラシー』  青山劇場
  これも、今まで仕事をした人とこれからする人が大勢出演していることが観劇した最大の理由。芝居作りが仕事になってしまうと、観劇という行為にも仕事がついて回って離れない。ただし、それだけが理由で観劇したわけではもちろん無い。
  それはともかく、私は大変面白く見た。台本と言い、舞台の使い方(演出)と言い、出演者たちの好演と言い、私はとても楽しんだ。

『お登勢』  芸術座
  これも見に行った動機は仕事がらみであるが、大好きな飯島早苗さんの脚本であると言うことと、芸術座最後の新作であると言うことも大きな理由であった。
  壮大な原作のストーリーを芸術座に納める苦労が忍ばれたが、舞台上の俳優たちは皆誠実で、後味の良い、気持ちの良い舞台であった。


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