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観劇記/12月 [観劇記/2005年]

『12人の優しい日本人』 PARCO劇場
 三谷君作・演出による、東京サンシャインボーイズ時代の傑作のリバイバル。芝居は1に本、2に役者だという事を改めて思い起こさせてくれる。
 しかしまあ贅沢なキャストである。にもかかわらず、観劇中にしばしば劇団時代の役者たちの印象が蘇って来た。が、これは悪い意味ではない。劇団時代も今回も、私はどちらも楽しんだ。
 上演史の中では今回の美術が1番いい。と言うか、今までが奇をてらいすぎていたのだが。

『V6 10th Anniversary Tour musicmind』 国立代々木競技場 第1体育館
 勿論これは芝居ではない。が、最近このコーナーがあまりにも寂しく見えるので。
 トニセンの3人は、私が少年隊ミュージカル『プレゾン』を演出した時の出演者であった。その後坂本君とは『シェルブールの雨傘』を一緒にやり、その再演は、ジャニーズの手になる新生「東京グローブ座」のこけら落とし公演でもあった。私とV6との接点はそういう事である。
 芝居ではないので評価は下さないが、V6の6人は広大な第1体育館を走りまわり、踊りまくり、歌いまくった。そこには舞台と客席の幸福な関係が間違いなくあった。大切な事だと思う。

劇団道学先生『兄妹どんぶり』 紀伊國屋サザンシアター
 道学先生は初見だが、脚本の中島淳彦さんとは以前仕事の機会があった。が実現しなかった。返す返すも残念。
 舞台の方はこのユルユルぶりがたまらない。福島三郎作品や鈴木聡作品に通じる所がある感じ。役者は皆好演で、特に福本さんが大活躍。だが演出と美術にはもう少し洒落っ気があっても良かったのではないだろうか。照明は感心せず。


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祝・千秋楽/『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

12月28日(水)

 今月4日よりスタートしたミュージカル『ジキルハイド』も本日無事に千秋楽。今日の日生劇場は満席で、キャンセル待ちのお客様にお帰りいただいたらしい。なので私も、今日は舞台裏からの観劇であった。

 上手のオーケストラ、パーカションの横から、塩田さんの指揮ぶりを覗いたりなどしていたのだが、客席から指揮者が見えていない分、ピットで振る時以上に過激でダイナミックで、芝居っ気たっぷりのマエストロであった。
 驚いたのは(と言うより笑いを堪えたのは)最終場面、ヘンリーとエマの結婚式の場面で、ダンヴァース卿が現れ、ゲスト一同がグラスを上げ、新郎新婦が入場し、ヘンリーが挨拶する一連が、舞台の進行と同時にオケのメンバーたちによってピットでも演じられていたことである。

 これ、毎日やっていたのだろうか?

  ところで、『ジキルハイド』でパーカッションを演奏しているのは長谷川友紀さんである。彼女のパーカッションは実にシャープで力強い。そのすぐ横にいるだけで、こちらは鳥肌が立ってしまう。妹の麻紀さんもパーカショニストで、この姉妹の演奏を納めたDVDが新春早々発売されることになっている。
 興味のある方は@nifty:シアターフォーラムのFORUM NEWSに記事が出ているのでご覧いただきたい。

 さて、終演後のカーテンコールは千秋楽のスペシャルヴァージョン。通常のカーテンコールの後、ミュージシャンの皆さんも舞台に登場し盛大な拍手を受けた。
 続く挨拶の中で、鹿賀さんから「またやりたい!」宣言が飛び出した。スタッフ&キャストの全員が同じ気持ちであったに違いない。

 もう一度このカンパニーと共に仕事ができる日が訪れることを、私も心から願っている。

 『ジキルハイド』を応援してくださった皆さん、このBlogを覗きに来てくださった皆さん、どうもありがとうございました。
 年内の更新は今日までです。どうぞ良い年をお迎えください。


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本年最後の『龍馬の妻・・・』U-40通信 [日記/2005年]

12月27日(火)

 本日はBキャストの稽古。

 『龍馬の妻とその夫と愛人』は出来上がっている作品だが、前にも書いた様に、私はU-40ヴァージョンをニュー・プロダクションのつもりで演出している。勿論音楽や、衣裳の調子、美術の要素などを変更する気はない。が、俳優の演技、役作りやニュアンス、動きを本公演に揃えることもしない。
 『ジキルハイド』のジョン・アターソン役が初演の段田安則さん→再演の池田成志さん→3演の石川禅さんと、それぞれの持ち味を生かして変化して来た様なことが、U-40バージョンでは出演者全員規模で起こっている、と言う話である。

 なのでAキャスト、Bキャストの間でも、違うアイデア、違う解釈が頻繁に登場するし、そうなる様に私も焚き付けている。だがこれは、芝居作りとしては実に能率が悪い。特に両キャストに付き合う演出家にとっては。
 かつて『東京サンシャインボーイズの「罠」』の時に試みて痛い目に遭い、今年日大の実習発表『パパのデモクラシー』で再挑戦して懲りた筈なのに、またしても・・・である。

 私には学習能力が無いのであろうか。

 それはともかく、U-40の稽古は年内は今日まで。稽古後は昨日断念した東京芸術劇場へ。『龍馬の妻とその夫と愛人』本公演を観る。


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『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40通信 [日記/2005年]

12月26日(月)

 U-40の稽古は休み。来夏のアレの予習に勤しむ。夜は東京芸術劇場の『龍馬の妻とその夫と愛人』本公演を覗こうと思っていたのだが、風邪気味なので用心して止しにする。


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『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40通信 [日記/2005年]

12月25日(日)

 本日よりAキャスト、Bキャスト別々での稽古。で、本日はAキャストのみ。

 もう1~2日は自主トレ風稽古を・・・、とも考えていたのだが、私の方も何もせずに稽古場にいる事がだんだん苦痛になって来た。なので、年が明けてからと思っていた本格的な稽古に本日より突入する事にした。
 冒頭より順を追って、微妙なニュアンスなどを丁寧に掘り起こしつつ、細かな手順も作りながら前半の2/3辺りまでを稽古。充実した良い1日であったと思う。

 池袋の東京芸術劇場の方では本公演/東京追加公演の初日。いきなり昼夜2回のダブルヘッダーであった。が、私は顔を出せず。B作さんはじめ、皆さん旅のお疲れが出ません様に。

 稽古後は、都内某スタジオでの『ミー&マイガール』のスチール撮りに顔を出す。今度のビル&サリーはピチピチだっ!


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『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40通信 [日記/2005年]

12月24日(土)

 クリスマス・イブである。我々の仕事は、それらの年中行事は無いものとして進んで行く。私自身ももう慣れっこになっているのだが、家族たちは果たして慣れっこなのであろうか。

 さて、自主トレ風稽古は今日も続く。私が「演出する事」を留保しているので、俳優たちは仕方なく自分たちで場面の手順を考えている。そのお陰で本公演の印象は随分と払拭されて来た。
 折しも本公演の方は、明日(25日)より池袋の東京芸術劇場中ホールで29日までの追加公演である。
 
今日のU-40の面々の話題は「本公演を観に行くか、否か」であった。せっかくいい感じで本公演のイメージが抜けて来たので、「今は我慢して観ない」と言う意見が大勢であった。

 それがいいと思う。

 U-40の稽古前に、今日は『屋根の上のヴァイオリン弾き』の稽古場へ。『ダンス・オブ・ヴァンパイア』のスチール用ヘアデザインの打ち合わせを、そこで。


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『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40、など通信 [日記/2005年]

12月23日(金)

 師走だから、と言うわけでもないのだが、今月は稽古の他にも何かと忙しい。『ジキル&ハイド』のトークショーをはじめ、東宝の戯曲科(劇作家養成講座)での特別講義や次回作『ハゲレット』『ミー&マイガール』『ダンス・オブ・ヴァンパイア』などの準備、打ち合わせや本直しなど、残り少なかった手帳の隙間が次から次へと埋まっていく。

 今日も稽古前に小田島雄志さん、鈴木聡さんと『ハゲレット』についての対談があった。これは1月4日の読売新聞の夕刊に掲載される予定のもので、監修者、脚本家、演出家としてそれぞれの立場からシェイクスピアや『ハムレット』の事を語り合う、と言った趣旨のものであった。
 ただ、こうなると分が悪いのは演出家で、1人は長年にわたるシェイクスピアの権威(小田島先生ご自身は「権威」みたいな事から最も遠い、実にチャーミングな方ですが)、もう1人は既に自分の仕事を終えた脚本家である。
 私の仕事はこれからなので、構想はあると言えばあるのだが、その通りにならないかもしれないし、はっきり言って喋る事に説得力がない。
しかも、「東急セルリアンタワー」と「エクセル東急ホテル」を間違えるという初歩的なミスを犯し、先輩方をお待たせするという大失態・・・・・・。

 掲載される対談を、どうぞお楽しみに。

 U-40の方は、今日も自主トレ風稽古。途方に暮れていた劇団員たちも少しずつこの稽古スタイルに慣れて来た様子で、活発な遣り遣り取りも見受けられる様になって来た。
 今やっている事は、彼らの頭の中に染み付いてしまった平田満さんや佐藤B作さんやあめくみちこさんや佐渡稔さんを叩き出す事である。これは容易な事ではないが、今やっておかないと先に進む事もできない。

 がんばれ、それほど若くもない若手たち!


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『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40通信 [日記/2005年]

12月22日(木)

 今日も昨日同様の「だらだら稽古」。「だらだら」は言葉が悪いか。「だらだら」より自主トレのイメージに近い。

 昨日も今日も、キャストに自由に稽古時間を使って貰っている。私はそれを、ただニヤニヤしながら見物している。駄目出しは一切しない。たまに、ごく大きなヒントの様なものを伝えるだけである。
 セカンド・カンパニーと言うものは、どうしても本公演の物真似になってしまい勝ちである。経験の浅い俳優ほど、無自覚に本役の演技をなぞってしまう。俳優が自分の感情や生理を動員していない演技ほど退屈で説得力のないものはない。まずは自分の中からその言葉を、仕草を、リアクションを発見して貰いたいのである。

 途中で、年内の旅公演を終えて帰京した佐藤B作さんが稽古場に顔を出した。舞台の上では軽妙なB作さんも、劇団の若手にとっては厳しい先輩である。顔では座長の帰還を歓迎しているのだが、途端に稽古の腰は引けてしまった。
 もっとも、まだ立ち稽古二日目なのだから、当然と言えば当然の反応ではあるが。

 稽古後、日比谷にて「東宝ミュージカルアカデミー」のミーティング。講師陣が一堂に会した。


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『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40通信 [日記/2005年]

12月21日(水)

 U-40バージョンでは、私以下、本公演のクリエイティブ・チームがザ・スズナリ向けに『龍馬の妻とその夫と愛人』を再創造している。但し、殺陣だけは石田武さんにお願いしてある。

 立ち稽古は、その殺陣からスタート。石田さんが、覚兵衛役の大森さん、まいどさんの動きを見ながら手際よくリアリティのある手をつけて行く。石田さんはJAC(ジャパン・アクション・クラブ)の出身で、大森さんやまいどさんと同世代である。芝居の事を良く分かっていてくれるので、私もとてもやり易い。

 殺陣に2時間ほど費やした後、芝居の稽古に入る。稽古場には、昨日の稽古OFFの間に稽古用のセットが立て込まれた。台本、演出が一緒なので、セットの要素は本公演と変わらないが、スズナリサイズで一回りコンパクトになっているので、作中のシチュエーションにはより近くなっている訳である。

 演出は一緒、と上で書いたが、それは本公演をそのままコピーする、と言う事ではない。配役が変われば、当然キャラクターやニュアンスは微妙に変化する。その「微妙な変化」を最大限に活用して、本公演からどこまでとおざかる事ができるのか。それが私のU-40バージョンにおけるテーマなのである。
 なので、今日の稽古でも、私が率先してアイデアを出して行く事はしなかった。俳優たちにとっては面倒で、やり難い稽古のスタートであっただろう。

 だが暫くは、少なくとも年内は、このだらだらとしたやり方で稽古を進めていくつもりである。最終的には整理整頓されて、本公演とさほど違った仕上がりにならないだろうと思う。思うが、そこに辿り着くのに近道はしたくない。

 そう言う親心でやっている事なので、U-40バージョンの皆さん、どうかヘソを曲げずにお付き合いください。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

12月20日(火)

 『ジキルハイド』2回目のトークショー。今日の司会はフジテレビの軽部アナウンサー。トークショーの出演は鈴木蘭々さん、石川禅さん、そして私。軽部さんには8月末の製作発表時にもお世話になっている。

 前回のトークショーは昼の部の終演後であったが、今日は夜の部の開演前、17時からのスタートである。果たしてお客様がどの程度いらっしゃるのか、関係者一同大いに気を揉んでいたのだが、それは杞憂であった。1階席の2/3位というまずまずの入りで一安心であった。
 トークショー自体は前回と似た流れで進行したのだが、まだ本編をご覧になっていない方も大勢いらっしゃったので、ネタバレにならないように気を遣った。その所為でやや食い足りない印象にならなかったかどうか。それが心配である。

 トークショーの内容は公式ページのレポートなどに委ねたいのであるが、今回が『ジキルハイド』初参加の蘭々さん、そして3回目ながら今回から役の変わった禅さんに、今の気持ちや初共演となるお互いについての感想などを軽部さんが質問していた。
 そして『ジキルハイド』の見所を1人ずつ披露し、私は「ジキルvsハイドの戦い」を、蘭々さんは「全部」(マルシアさんと同じ回答ですね)、そして禅さんは「嘘の仮面」と答えた。

 最後は客席との質疑応答、そして抽選会があって無事トークショーは終了。皆さんお疲れ様でした。

 トークショーの終了後、1時間ほどで本編の開演。相変わらずいい感じである。カーテンコールを終えて楽屋に引き揚げてきた鹿賀さんが「いいお客さんだった」と一言。本当にそうであった。

 終演後、出演者の何人かと軽く飲んだ。出演者と飲んだのは、稽古期間を含めても今回は今日が初めてであった。ちょっぴりホッとした。


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稽古開始『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40バージョン [日記/2005年]

12月19日(月)

 本日より、劇団東京ヴォードヴィルショーの若手劇団員たちによる『龍馬の妻とその夫と愛人』U-40バージョンの稽古が始まる。

 「U-40」というのは「nder 40」の事だそうで、40歳以下、つまりは若手公演の事なのだそうである。聞けば、もう「若手」という呼称に抵抗のある世代が半数を占めており、それが「若手公演」という名称を嫌った真相らしい。ただし、「nder 40」に当てはまらない出演者が若干名いる為に話を複雑にしている。

 さて、劇団の本隊は現在も旅公演中なので、U-40関係者のみにての簡単な顔寄せ。その後、Aキャスト、Bキャストそれぞれの読み合わせ。U-40はダブル・キャストなのである。ちなみに配役は・・・

Aキャスト/覚兵衛=まいど豊、松兵衛=玉垣光彦、おりょう=小林美江、虎蔵=村田一晃
Bキャスト/覚兵衛=大森ヒロシ、松兵衛=京極圭、おりょう=奈良崎まどか、虎蔵=村田一晃

 である。虎蔵だけはシングル・キャストだが、小劇場好きの方には「おおっ!」と膝を打っていただける配役であろう。

 初日は来年の1月28日で、劇場は下北沢のザ・スズナリとなる。このストーリーにはより適した緊密な空間での上演なので、私自身も大いに楽しみにしている所である。

 それにしても、稽古初日からいきなりダブル読み合わせで、早速消耗してしまった。稽古後は大森さんのハッピー・バースデーを兼ねたささやかな団結式。大森さん、Over 40おめでとう!


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

12月13日(火)

 ジキルハイド』上演期間中に行われる2回のトークショーの、本日が1回目。昼の部終演後、20分ほどの休憩を挟んでトークショーの開演であった。

 今日の司会はフジテレビの笠井アナウンサー。笠井さんは今回の再々演を既に2回観てくださっている。そしてトークショーの出演者は、鹿賀さん、マルシアさん、そして私の3人であった。
 笠井さんのリードで、3演目となる今回に対する心構えであるとか、思いがけない裏話などをそれぞれが披露した・・・様な気がするが、何しろ私はその場をしのぐ事で精一杯だったので、あまりきちんと記憶していない。トークショーのレポーターとしては失格である。

 トークの後半で「1番好きな場面はどこか?」という設問があり、私は『苦悩2』と答えた。『苦悩2』は2幕の後半でジキルが最後の薬品を調合しながら歌うナンバーである。何故ここが好きなのかと聞かれると、それは分からない。理由抜きに好きなシーンなのである。
 ちなみにマルシアさんが好きなのは『全場面』。でもこれでは答にならないので、個人的に好きなのは、と前置きした上で『罪な遊び』を挙げた。
 そして鹿賀さんの好きな場面は『へんしん』であった。鹿賀さんが好きだと言った変身は1回目のそれだそうである。だが、何故平仮名で『へんしん』であったのか、その理由は不明である。

 最後は観客との質疑応答があり、その中で「マルシアさん演じるルーシーが××される時の仕掛けを知りたい」と言うご質問があったのだが、迷った末に種明かしをしない事にした。期待してくださった皆さんごめんなさい。
 更にその後サイン入りプログラムの抽選があって、トークショーは30分くらい(であっただろう、と思うのであるが自信がない)で無事に終了。果たして楽しんでいただけたであろうか。

 次回、2回目のトークショーは12月20日(火)。この日は夜公演なので、トークショーは開演前の17時スタートとなる。20日の司会はフジテレビの軽部アナウンサー。出演は鈴木蘭々さん、石川禅さん、そして私、の予定である。どうぞお楽しみに。

 ただし、このページでのレポートにはあまり期待しないでください。


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いよいよ開幕!『ジキル&ハイド』 [日記/2005年]

12月4日(日)

 初日。

 『ジキルハイド』としては今までになく落ち着いている。それでも昼過ぎから各セクションが最後の調整。開演の2時間前からは舞台にて初日のお祓い。

 定刻の19時を少し回っていよいよ開幕。前半、客席は緊張していた。ジキルとエマの最初のデュエット『ありのままの』の終わりでようやく大きな拍手が起こり、場内の空気が一気にほぐれる。後はこちらの思う通りに舞台は進んだ。
 特に、『ジキルハイド』最大のナンバー『時が来た』は、今までの鹿賀さんのベスト・パフォーマンスであった。この作品に初演から係わってきた人間なら誰もが泣きそうになったに違いない。

 終演後、カーテンコールが一通り終わった所で、私も舞台上に登場。本来私はこういうことは不得手なのだが、今夜は特別なお客様を紹介する役回りなので仕方がない。お客様とは、もちろんフランク・ワイルドホーンさんである。
 客席は総立ちで(もっとも、私が焚き付けたからではあるが)、ワイルドホーンさんも本当に嬉しそうであった。
 Exit Musicの演奏が始まってからも、キャストたちは舞台に呼び戻された。初演、再演を遙かに凌ぐ、最高のオープニング・ナイトであった。

 終演後、音楽監督の甲斐さん、指揮の塩田さん、そして東宝・ホリプロ・フジテレビの関係者と、ワイルドホーンさんを囲んで祝杯を挙げた。ワイルドホーンさんは開口一番、「私はオーケストラには厳しいんだけど、今日のオーケストラは本当に素晴らしかった。特にチェロとフルートのソロが」とおっしゃった。
 他にも色々な話をしたのだが、ブロードウェイの閉鎖性、それに対するヨーロッパに於ける自由な舞台作り、日本の舞台もヨーロッパ同様、作り手に自由が認められている感じを受けた、と仰っていた事が印象に残る。

 これで『ジキルハイド』通信はひとまず終了である。トークショーなど、ご報告する事があった場合は随時レポートするつもりである。それでは日生劇場で。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

12月3日(土)

 午前中は明かり合わせの続き。お昼より舞台稽古の続き。そして通し舞台稽古。

 やはり3演目の余裕というか、落ち着いていて、ジョークも飛び交う、そんな2日間であった。前回までとはそこが大きく異なる所である。上演時間は1幕がおよそ1時間20分、2幕が1時間+カーテンコールに仕上がった。
 しかし、やはり『ジキルハイド』は大したミュージカルである。寸分の隙もない完成度、とは私も思っていないのだが、そこも含めて、実に魅力的な作品なのである。どこがどう魅力的なのか、それは劇場で、どうかご自分の目で確かめていただきたい。

 明日は初日。フランク・ワイルドホーンさんがご観劇。


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『ジキル&ハイド』短信 [日記/2005年]

12月2日(金)

  午前中はサウンド・チェック。昼過ぎより舞台稽古開始。1幕プロローグより、順を追って場面毎に2幕1場まで。終了後、明かり合わせの続き。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

12月1日(木)

 師走。仕込み作業の続き。塩田さんのオーケストラ・リハーサル。道具調べ、照明合わせ。26時終了。疲労困憊。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月30日(水)

 稽古場最終日、オケ付き通し稽古。

 キャストやオーケストラのそれぞれが、昨日までの課題を上手く消化してくれていて、とても安定した仕上がりであった。ここまで来ると、むしろ心配なのは今日の新鮮さをいかに維持すか、である。
 昨日、今日と、稽古場であるにもかかわらずこんなにも迫力があったのは、我々の目の前で起こる様々な事が俳優の中で新鮮だったからであろう。

 新鮮であり続ける事はとても難しい。

 取り越し苦労は置いておいて、これでとても良い形で劇場入りする事ができる。明日は稽古は休みで、残されている劇場でのスタッフワークに全力投球日。
 でも、明日まで待ちきれないので、稽古後、早速日生劇場に顔を出す。仕込み作業は順調に進行、今日のメニューを無事消化して、明日は道具調べ・照明合わせである。


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『ダンス・オブ・ヴァンパイア』ニュース! [その他]

 ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の公式ページにて、サラ役のキャストとクリエイティブ・チーム、公演日程と前売り開始日が発表になった。

 首を長くして待っていた皆さん、まずは東宝のホームページへ!


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観劇記/11月 [観劇記/2005年]

『マイ・フェア・レディ』 帝国劇場
 新演出になって初の東京公演。キャストも大幅に入れ替わった。
 このヴァージョンは初見だったのだが、空間を上手く使っていてスマート。シーンチェンジなどテンポアップも図られていて好印象なのだが、不徹底なのは何故? 新キャストは概ね好演で、羽場さんの存在が大きい。真央さんの作品では常に付きまとう問題点だが、シチュエーションよりも真央さんのインパクトが優先されてしまう瞬間がある。真央さん自身が素敵なだけに惜しい。

『宮沢賢治・大運動会~ボクたちの劇場へ~』 日本大学芸術学部中講堂
 日大芸術学部演劇学科の実習発表で、加藤直さん構成・演出による宮沢賢治作品集。
 原作を戯曲化せずそのままテキストとしたスケッチ集で、台詞と地の文が混在して語られ、役を演じる俳優も一貫しない。ブレヒト的群衆劇黒テント風だが、稽古が行き届いていて好印象。学生たちも役を作るストレスから解放されてか皆好演。直さんの作戦勝ちか。スタッフワークも良く、照明が高得点。ただし、作品として観るとあの長さは辛い。無料公演。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月29日(火)

 オケ付き通し稽古。

 『ジキルハイド』の指揮者は塩田明弘さんである。塩田さんは初演よりこの作品を振ってくれているが、残念ながらその勇姿は『ジキルハイド』では拝む事ができない。オーケストラ・ピットを使用していないからで、塩ちやんファンの皆様、ごめんなさい(私はある作品で、客席のファンから直接プレゼントを貰うピットの塩田さんを見た事がある)。

 さて、その塩田さんは現在まだ『モーツァルト!』本番中で博多座なので、『ジキルハイド』の稽古場は副指揮の若林裕治さんが代役を務めてくれている。オーケストラのメンバーは17名で、今回のオケはアンサンブルがとても良い感じである。
 稽古の方も、1回目のオケ付き通しにもかかわらずとても良い仕上がりで、私の興味は既に、劇場入りしてからのテクニカルな仕上がりの方に移行している。
 通し終了後の駄目出しでも発言したのだが、今回の『ジキルハイド』は初演、再演をしのぐ出来だと思う。それを目指して今まで努力してきたのだから、それは当然の結果ではあるのだが、それが目の前で現実のものになりつつあるのを見て、改めて大きな感慨も湧いてくるのである。

 さあ、気を引き締め直して、明日は稽古場最終日。劇場にて仕込み作業開始。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月28日(月)

 先週の土曜にオンエアされた『サタデー・ウエイティング・バー』で、また私の喋りが流れたらしい。早速東京FMの番組ホームページを覗いてみると、11月26日の放送で、私は「芝居の再演」の話をしている。
 この日に登場する事は私も知らされていなかったのだが、この分だともう1回くらい流れるのかな?(何のことだか分からない方は10月18日の日記を参照の事)

 さて、『ジキルハイド』の方はオケ合わせ。

 このページの読者にはもうお馴染みだと思うが、オーケストラと俳優たちが初めて顔を合わせる稽古である。つまり「オーケストラとの歌合わせ」の略が「オケ合わせ」なのだが、この中で、音楽のきっかけやテンポ、芝居のスピードとの整合性など、様々な事をチェックして行くのである。
 大抵の場合、ミュージカルの稽古はピアノ1台の伴奏だけで行われている。『ジキルハイド』の稽古も今まではピアノだけでやっていたのである。なので、こうしてオーケストラと合わせる為の稽古が1日は必要になって来る。
 何しろ、初参加のキャストは、今まで稽古場では聞いたことのない音を今日初めて聞いているのである。

 ところで、『ジキルハイド』では通常のオーケストラ・ピットを使用していない。舞台後方の上手(かみて)と下手(しもて)に分かれて陣取り演奏しているのだが、これは舞台と客席との関係をダイレクトなものにしておきたかった為にそうしたのである。
 そのお陰で、ドラマはストレートに客席に伝わって行き臨場感満点の舞台となった。反面、俳優は指揮者と直接コンタクトを取る事ができない。それを解消する為に、舞台と指揮者を結ぶカメラとモニターが随所に用意されてはいるのだが、このことは両者にとってかなりの負担になっている。その負担を少しでも軽くする為にも、今日の様なオケ合わせが大切になって来るのである。


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ワダエミの衣装世界 [日記/2005年]

11月26日(土)

 ワダエミさんの衣装展が開かれている。今日がその初日で、早速出掛けて来た。

 ご承知の通り、ワダエミさんは世界的な衣装デザイナーである。どのくらい世界的かというと、アカデミー賞もエミー賞も受賞されているくらいである。今回の展覧会ではそのトロフィーも展示されている。こうなったらトニー賞も是非取っていただきたい。
 私は昨年の舞台『浪人街』ワダエミさんと仕事をした。その『浪人街』の衣装も今回展示されていて、それらは特別に来場者が触れる事ができる様になっている。

 ワダエミさんの衣装は、色彩と素材にこだわりにこだわった末に生まれてくるもので、そのことは本展からも明らかである。本展では他にも、黒沢明監督の『夢』の有名な等身大の雛人形の衣装であるとか、チャン・イーモウ監督の色彩鮮やかな『HERO』の衣装、舞台作品では新国立劇場のオペラ『マクベス』や、音楽劇『コーカサスの白墨の輪』、他にも京都清水寺の『青龍会』など、普段なかなか目にする機会のない作品が並んでいる。
 会場のプロデュースもワダエミさん自身が手掛けられていて、これもまた一見の価値があるだろう。ワダエミさんの執念と愛情がたっぷり込められた、本当の本物に触れる事のできる貴重な機会だと思う。

 ワダエミの衣装世界/12月25日まで 外苑前の梅窓院・祖師堂ホールにて

 詳細はTBSさんのホームページをご覧ください。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月25日(金)

 4回目の通し稽古。の予定を変更して、場面ごとに止めながら、芝居やステージング、音楽的なことを再確認する稽古に作戦変更。

 小道具を仕込んでくれている東宝舞台の布田さんが、稽古後ぽつりと「やっぱり『ジキルハイド』はおもしろいわ。」と呟いた。布田さんは、蜷川さんや松本幸四郎さんの舞台を支えているスタッフの1人である。
 こういう人のこんな言葉に、私は一番勇気づけられる。この段階で気を緩めるわけにはいかないが、やはり嬉しいものである。

 明日、明後日はいよいよオーケストラ・リハーサル。なので稽古は休み。


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稽古は休みだが・・・ [日記/2005年]

11月24日(木)

 『ジキルハイド』の稽古は休みだが、毎週木曜日は日大芸術学部演劇学科で「演出実習Ⅱ」の授業。早いもので、この授業も年内はあと2回、年が明けてもう2回の計4回で終了。1年なんてあっという間である。

 授業後の時間帯が空いてしまったので、久しぶりに学食へ行き学生たちと昼食を取り(かけそば200円)、その後色々と世間話をしてだらだらだらだらだらだら・・・と過ごす。本当は読みかけの本があり、今日の午後中に読了するつもりで持参したのだが、その本は結局開かれることなく終わる。

 たまにはこんな時間の過ごし方も良いかもしれない。仕事の先行きや人間関係のことを今日だけは考えないで、到達点を何も定めずに楽~な状態で過ごしていたのであった。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月23日(水)

 3回目の通し稽古。

 昨日の成功体験でこのまま固まってしまうのではなく、更に上を目指して、出来上がったものをぶっ壊してもいいから様々なやり方にチャレンジしてみよう、と言うのが今日のテーマ。こんな冒険ができるのも、このカンパニーがプロフェッショナルの集団だからである。
 結果は、全体の出来では昨日に遠く及ばなかったが、そこかしこに意欲的なアプローチが見て取れた。この期に及んでのキャストの皆さんの貪欲さには本当に頭が下がる思いである。

 11月も残すところ1週間。来週からはオーケストラとの合わせが始まったり劇場に移動したりと、何かと慌ただしくなる。『ジキルハイド』は演者にとっては肉体的にも精神的にも相当にハードな作品なので、余裕のある今のうちにもう1日休息をとる事にした。
 なので、明日の稽古は臨時OFF。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月22日(火)

 2回目の通し稽古。

 稽古場全体の集中度も高く、様々なことがしっくりと噛み合って、私としてはかなり満足の行く仕上がり。特に今日の鹿賀さんはお見事。
 稽古の出来が良いと問題点もはっきりと見えてくる。駄目出しで細かなことを確認した後、幾つかの場面を整理し直す。

 このブログの昨日の閲覧者数が、いきなり4桁を超えていた。『ジキルハイド』の公式ページにリンクが張られた為だと思われるが、ありがたい事である、と言うか、引っ込みがつかなくなって来た、と言うか・・・、今後ともどうぞよろしくお願いします。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月21日(月)

 稽古前に鹿賀さんの声の録音。

 劇中で流れるジキルのナレーションや手紙の声など、文面は今までと変わらないのだが、新たに録り直すことにした。前回の再演でも録り直した。劇中のジキルの声は初演、再演、今回と、毎回録り直していたのであった。(へぇ~)

 稽古の方はエマの場面を中心に抜き稽古。今日は同じ場面を繰り返し繰り返し、納得の行くまで当たる。


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追加公演決定! 『龍馬の妻とその夫と愛人』 [その他]

 『竜馬の妻とその夫と愛人』は順調に旅を続けている様子で、現在は大阪公演を終え、この後高松、そして福岡、広島・・・と巡業する。

 その『竜馬の妻とその夫と愛人』の、東京追加公演が決定したのでご報告。12月25日から29日まで、会場は池袋の東京芸術劇場中ホールで、松兵衛役は山口良一さんである。
 B作さんがしきりに「しんどい芝居だ」を連発されていたので、次の再演は無いかもしれないので(?)、観逃していた方はこの機会に是非!

 詳細はTBSさんのホームページから「ステージ・文化催事」をクリックしてください。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月19日(土)

 初日までまだ2週間以上あるのに、早くも通し稽古。

 通し稽古を何度も重ね、流れを作ることを重視しながら細部を調整して行こう、と言うのが今回の作戦である。そのために、昨日までハイペースで飛ばして来たのであった。
 ケアレスミスは幾つかあったものの、様々な手直しが効いて今まで以上に観易く、ドラマティックなっている。まずまず順調な仕上がりだと思う。

 稽古後は全体で駄目出し。その後、音楽監督の甲斐正人さんによるヴォーカルの抜き稽古をみっちり。ご褒美で明日はOFF。


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『ジキル&ハイド』通信 [日記/2005年]

11月18日(金)

 稽古前に産経新聞さんの取材。3演目となる今回の見所や、初演時のことなどを聞かれる。

 稽古の方は、ラストシーンのアクションを渥美さんにチェックしてもらった後、1幕の後半を当たる。その後、ヴォーカルの抜き稽古。
 ラストシーンには石川禅さん扮するジキルの親友・アターソンと、宮川浩さん扮するジキルのライバル・ストライドが対峙する瞬間がある。宮川さんのストライドは前任者とは違うタイプの嫌な男になっていて、2人の対決は短いながらも大いに盛り上がる。
 前回まではストライドだった石川さんも、前任のアターソンたちとはまた違う人物像を作り出していて、これもまた実に人間くさくていい感じである。
 ただし、いま
までを見慣れている我々には、なんだかややこしくて変な感じ。


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